旭酒造が昨年から梅酒を商品化しているのをご存知の方もいらっしゃると思います。
この梅酒の発売にはキーパーソンがいまして、それが梅酒研究会理事長の明星先生なんです。
この明星先生があるとき、「獺祭磨きその先へ」を使った梅酒を「造ってみたら」「飲んでみたい」と提案してくれました。
そのあまりの突き抜け感に感激した私が、さすがに「その先へ」を使った梅酒は断念しましたが、「磨き二割三分」をベースにして、「獺祭 梅酒」として商品化したというのが、発売の顛末なんです。

その梅酒誕生の「恩人」の明星先生は「先生」という呼称でおわかりかもしれませんがお医者様です。
それも、江戸川病院で癌免疫治療センター長という肩書もいかめしい癌治療で高名なスーパードクターです。

その先生を紹介する時に私はよく、「この明星先生は、本業は梅酒研究会の理事長で、趣味でお医者さんをやってらっしゃいます」なんて罰当たりな紹介をしたりしています。
そのぐらい、偉ぶらない気さくな先生ということですね。

その明星先生に今年の梅の出来で相談していた時のことです。
今、江戸川病院はコロナウイルス対応の指定病院になっているそうです。
当然、明星先生はコロナウイルス診療の先頭に立っておられ、家族への感染防止のため自宅へ帰ることができずビジネスホテル住まいだそうです。

ニュースなどでは知っていましたが、実際に存じ上げている方がこういう状況で戦っておられるのに接すると、今更ながら医療関係の皆様に頭が下がります。
お医者様もですが、看護師さん達はご家庭もあるでしょうし、本当に苦しい状況の中で努力していただいており、頭が下がります。

私共は何のお役にも立てませんが、只々、感謝です。「皆さん、ありがとうございます」
そして、明星先生に、昨年よりもっと良い獺祭の梅酒をお届けしなきゃいけませんね。

 

【頑張ってください。皆様と同じ時に同じ危機に立ち向かう事に誇らしく思っています】

山形の鶴岡市にアルケッチャーノというイタリアンレストランがあります。
ここの奥田シェフの料理を食べるためにわざわざ飛行機で東京などから行く人がいるというレストランです。
もっとも最近は銀座や広島にも支店ができましたので、ちょっと土曜日の朝思いついてランチに行くなんてできるようになりました。

獺祭もご愛顧いただいていて、銀座店のイベントなどではよくコラボさせて頂いております。
よく、「山〇県!?のアルケッチャーノで獺祭の地元ですから、親しくお付き合いさせて頂いております」なんて、勝手に同郷人のような紹介をしています。
しかし、さすがのアルケッチャーノも四月から各店舗が営業自粛で売り上げが40分の1!!だそうです。

でも、そこはめげない奥田シェフ。
社員寮に寝泊まりして、お客様のご注文に合わせて宅配のコースを受けているそうです。
聞いて私も早速お願いしたんですが、都内は軽トラを使って配達もしているそうです。
なんと、奥田シェフもハンドルを握ることがあるそうです。

これを聞いて思ったのは、奥田シェフのお客様に美味しいものを食べてもらいたいという熱意です。
これがあるからアルケッチャーノって超有名店になったんですね。
美味しい店には哲学がある。

これは、業態も違うし規模も全く違いますがワタミの渡辺美樹会長。ここも4月の国内売上は前年比92%減と聞きました。規模が大きいがゆえに打撃も桁外れであることが想像されます。でも、渡辺さんの配信されているメルマガを読んでみても「このピンチに立ち向かっていこう」という闘志に満ち溢れています。特に、苦境にあえぐ同業者への励ましのエールは私たちのような異業種が読んでも感銘を受けるものです。

先程、「銀座みずき」などで知られる夢酒グループの森さんと電話で話をしました。
全国にホテルチェーンと居酒屋「夢酒」を展開するんですから、今一番つらい業態です。「メタメタですよ」と嘆きながら、でも元気でした。

状況が悪いのは誰のせいでもない、今はとにかく生き残るのが大事。
この状況の中でできる事からあがいていたら、どこかで陽が差してくる。ジャングルの中からいつの間にか原っぱに出るから。と、話が一致しました。店舗も6/1から順次再開しているようです。

日本の外食産業はその多彩で変化に富み、しかも国際的にみるとやっぱり安い! 日本の都市の魅力の大きな部分を背負っていると思います。

皆様とご縁があり、今、この時に地球上で共に危機にあたることができることを誇りに思っています。