あけましておめでとうございます。 昨年中は皆様に様々なご支援をいただきました。本当に感謝しております。

昨年は旭酒造にとってもたくさんの出来事のあった年です。まず、なんといっても、本蔵の完成によりさらに理想的な「獺祭」の醸造環境の整ったこと。それに伴い、製造スタ ッフがとうとう百人を超え、出荷のパートの女性まで含めると180人を超えるメンバーになったこと。(私が社長になった年の正社員は4名でした!!)まだ不十分な形ではありますが、本蔵と二号蔵の両方に醸造設備があることと、この豊富な若い人材を背景に製造チームを二チーム体制にできそうです。ベテランチームとルーキーチームとか、チーム分けして、若い人材に早く失敗すること・成功することの喜びと苦しみを分かってほしいと考えています。

また、近年悩んできた山田錦不足が一息ついたこと。(おそらく、「獺祭が山田錦を買い占めているからコメが足りなくて全国の酒蔵が酒が造れない」というよくあるご批判に反して、実際は発注分を返上している酒蔵も全国にかなりあるようです。)山田錦に関して言えば、これで量が整い質の向上に向かう努力に傾注できる道筋が明確になりました。

今年の「獺祭」の製造予定は2万5千石超。山田錦の使用量は10万俵(6000トン)を超える製造計画です。その影響で数年前までは30万俵台の前半と言われていた山田錦の全国生産量も50万俵(3万トン)を昨年は越したのではないかと思われます。全国の食用米の生産量は750万トン、それが毎年8万トン減少し続けていると言われていますから、近年の私どもの活動は日本の米の需要不足の解消に少しはお役に立ったようです。

日本の米作を守るために「獺祭」はあるんじゃありませんが、それでもこの結果はお客様の圧倒的な支持があってこその結果です。ありがとうございます。

それでは、私たちは何をもってこのご恩返しがお客様にできるか。それは「ちょっとでも美味しいお酒をお客様にお届けする」この一点にしかありません。今年もこのことを 肝に銘じて「獺祭」を造りたいと思います。

今年もよろしくお願いします。