少し前から、ネット上で「安倍首相開催の桜を見る会に獺祭があって云々」という話がちらほら出ていました。昨年の西日本豪雨による被災の時も「安倍首相の地元山口県の獺祭も被災した(ざまぁみろ)」みたいな投稿がいくつもありました。名前も名乗らない無責任な投稿は無視しているようにしているのですが、「桜を見る会で首相地元の獺祭提供 答弁書を閣議決定」(朝日新聞)だそうです。「質問した議員も、暇だなぁ・・・」と思いますが、私どもの思いも少しお話させてください。

まず記事によると、「企画競争により選定された事業者の推薦を受け、内閣府が決定した」という事のようです。余多ある日本酒の中で獺祭を選んでもらったことは名誉なことと考えています。

首相に直接お会いすることも一度ありましたが、「日本の米余りの中で、山田錦という高価な(栽培農家の所得の押上効果のある)米まで減反政策の犠牲になっている。これはおかしい。山田錦のような、足りなくてなおかつ高価な米は減反政策から外すべきです」という話はお願いした記憶がありますが、「獺祭を使ってほしい」ということは一度も言った事がありませんでした。

よく、業績不振の酒蔵を評して、「あの蔵の社長はええかっこしいで自分の酒を買ってくださいとよう言わん。だからおかしくなった」という話をよく聞きます。どこかの酒造組合長が「獺祭だけでなくうちの県の酒も使ってほしい」と首相に陳情した(日経新聞記事)などの記事を読んで、自分の「カッコつけすぎる立ち居振る舞い」を反省したものです。

話が横に跳んでいますが、酒蔵としてはこういう場で選んでもらえるようなブランド力をつけるのは大切なやるべきことです。

桜を見る会だけでなく、外国の要人に手渡して頂いたり、報道を見る限りでは、獺祭を使って頂いたことが何度かあったようです。しかし、それにより、当時お先真っ暗だった日本酒にスポットライトが当たり、マスコミ的に言えば、現在の日本酒ブームのきっかけとなったのは、事実であり、日本酒業界の一人として感謝しております。

また、獺祭としては、野党の皆様も自身の選挙区の酒や身内の酒を押されたりする中で、首相自身の選挙区でもない酒を使って頂いたという事は、感謝しています。「選挙区の酒を使えとおこられるんだけどね」と苦笑しておられました。