大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第六十一回 千客万来 芝濱(東京都・銀座)~ランチ編~

更新日:2016.02.23|居酒屋めぐり|

http://www.ginza-shibahama.jp/

 居酒屋めぐりにランチってどうよ?と思われる方々、まずはご容赦を。人々が額に汗し、知恵を絞って働いている昼間からお酒を飲むという幸せ以上のものが、世の中にほかにありましょうか。ねぇ。ということで、今回はランチタイムに、『獺祭』と美味しい和食をいただいちゃうことにいたします。
近頃、“大人の隠れ家”という言葉は、使うのが気恥ずかしくなるほど雑誌でもネット上でも陳腐ではありますが、このお店はまさに本当の”隠れ家”です。こっそり、お教えいたします。銀座の端、新橋寄りのビルの地下にある「千客万来 芝濱」です。

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ランチなら懐石コースもお手頃!

 店名は、有名な落語のお話のタイトル。酒飲みの魚屋が、良妻に救われる人情噺……こんな風に簡単に片づけるなと叱られそうですね(汗)。縁あってこの名をつけたので、お料理はお魚中心と大将の岡村さん。入り口から直通で行ける個室が3つ(誰にも会わずに玄関から個室に行ける構造)あるのですが、この日は岡村さんたちがりりしくお仕事している姿を拝見できるオープンキッチンのカウンター席に案内していただきました。

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ランチメニューに、「鯛づくし」という魅力的なキャッチ。お値段もかなりリーズナブル。でも、夜の構成とほとんど変わらないという昼懐石にも心惹かれます。ええい、両方ともご紹介いたしましょう。「芝濱」には『獺祭 磨き二割三分』と『獺祭 磨き三割九分』が常備されています。何を食べるかには大いに迷いましたが、お酒は躊躇することなく、二割三分をお願いします。まずは昼懐石から。
先付けのセリと鯛の酢びたしと、まず一献。柚子の香りがほんのり。

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初物のタケノコのお寿司、姫皮の佃煮を添えて。繊細でやさしい味わいの二割三分のきれいな甘みと相まって、春がそこまで来ているのを感じます。

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寒い季節に嬉しいお椀。『獺祭二割三分』の酒粕、それも、遠心分離の酒粕と板粕を、味とコクのために合わせて使用されているとお聞きし、驚きました。獺祭の酒粕は、日本のみならず、海外でもだんだんと多くのお店でお料理に使っていただくようになりましたが、酒粕の合わせ技とは!
2月中は懐石コースに提供されるそうです。

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次は大分産のトラフグです。その日の朝にしめたとのこと、ふぐの熟成にちょうどいい時間経過で、味とともに食感が最高でした。

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カリッと香ばしいふぐの唐揚げに続いて、茨城産キングポークの炭火焼。備長炭で丁寧に焼き上げてあり、旨みあり、甘みあり。このお料理には、三割九分が良さそうです。サラダに使用されているお野菜(エビベジ)は、栃木県の海老原ファームから仕入れています。とびきりフレッシュで本来の野菜の味がしっかりしていて、野菜好きのわたしにはたまりません。

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お待ちかねのご飯は、淡路産の天然の鯛を、ぜいたくにも天ぷらにしてあしらった天茶です。胡桃のきいたタレをといていただきます。

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家康公の好物だった鯛で鯛づくし

一品目は鯛のお造り。淡路産の朝〆の天然ものです。近ごろでは養殖技術が向上し、区別できないほどと聞きますが、やっぱり天然の鯛は違うと実感。上品な甘さと、程よい柔らかさは天然ものならでは。あしらいのからし菜もエビベジですから、残さずに召し上がってください。

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ホッとするお椀に続いて鯛の塩焼きにはウドのきんぴらを添えて。私見ですが、鯛は塩焼きが一番、味の違いがわかるような気がします。

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こちらも〆ご飯は鯛の天茶となります。この鯛づくしコースが1800円というのは、なんともリーズナブル。200円プラスすれば、軍鶏の卵の茶わん蒸しもいただくことができて、テレビショッピングではありませんが、さらにお得。

自家製の金つばのデザートまでついて、ランチって、偉大です!!

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和食ってカッコいい

 大将の岡村さんは、美容師に憧れていたそうですが、高校時代のアルバイト先の板前さんが実にカッコよかったことから、板前になろうと決意。「暗闇坂 宮下」をはじめ、銀座の和食店など数か所で研鑽を積み、「芝濱」を任されることになりました。オープンして丸3年。岡村さんの、美味しくてカッコいい和食への探求はこれからも続きます。コースの〆ご飯について、岡村さんはこうおっしゃいました。”この辺り(銀座、新橋)には鯛茶の名店がたくさんあるので、特色を持たせるために、うちでは鯛を天ぷらにした天茶にしています”と。確かに、カラリと揚がった天然鯛は旨みが凝縮されて美味しかったし、ボリュームもあって大満足でした。でも、次に伺うときは、あの鯛で、シンプルな鯛茶をいただきたいとも思いつつ、店の外に出て冬の日差しを浴びながら少し歩けば、いつもの銀座の喧騒が待っていました。昼の日中に、日常から少しでも離れる時間を過ごすことができた幸せに、もうしばらく浸っていたいランチタイムなのでした。

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今夜も(今日も)素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

いかがでしたでしょう。落語と言えば芝浜という方も多いと思います。料理の芝濱もなかなか素晴らしい。夜もいいですよ。

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