大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第六十二回 金蔦(東京都・六本木)

更新日:2016.09.13|居酒屋めぐり|

http://kintsuta.jp

 残暑厳しき折ではありますが、みなさま、鍋料理はいかがでしょうか。何もこんなに暑い時に汗かいてまで鍋なんて、と、思われるかもしれませんが、そんじょそこらの鍋料理ではありません!海外からの旅行客や芸能人にも人気と噂の炊き肉鍋で有名な、あの博多の「金蔦(春吉)」の味が東京に再現されているのです!とはいえ、ただのフランチャイズではなく、鍋以外のお料理は、金蔦六本木店独自のもの。そして、六本木店の料理長は、少し前までニューヨークの和食の雄「響屋」で修行されていた盛山さんだと知ったからには、行かずにはいられません。ニューヨークの「響屋」といえば…おっと、今回の居酒屋めぐりは、ニューヨーク編ではありませんでした。それはまた、次の機会にさせていただき、金蔦にまいりましょう。

 

空間と食で日常を離れる体験を

 日頃、仕事や雑事に追い回されて忙しくしている私たちには、日常から暫し、離れる時間が必要です。日が落ちて辺りが暗くなってもまだムッとする六本木の雑踏の街を逃れるように階段を降りると、それまでの景色とはうって変わった涼しげな空間に出会えます。お店に入ってはじめに目に入ったのは、なんとお茶道具。加えて客席の奥の緑・・・思わず、夏だということを忘れそう。はい、そこが大事。全席46席の店内の個室に案内していただき、メニューを拝見、日本酒を捜します。お酒のチョイスも盛山料理長がされているとのこと。早速、獺祭三割九分をボトルで、お料理は九州産黒毛和牛×鹿児島黒豚「黒宝豚」のコースをお願いしました。

生彩八寸は、旬の食材をふんだんに使った、目に艶やかなお皿です。ひとつひとつメモするのは大変でしょうと、店員さんが手書きで八寸の内容を書いてくださり、大感激。拙筆なので、自分の書いた文字が読めずに苦労することが多々有ることを、反省と共にここに告白いたします…と、話を戻しましょう。食欲の落ちる夏は、苦味や酸味がちょっと効いているほうが、お酒と共にお箸が進みます。ゴーヤや黄トマト、冬瓜などの旬の味にほてりが治まっていきます。次のお椀は、カニしんじょうの入りの枝豆のすり流し。添えられた焼きとうもろこしが甘くて美味しい一品です。繊細な風味とボリューム感を併せ持つ獺祭三割九分は、カニとの相性が良く、ベストマッチ。三割九分のひんやり感を保つためにボトルクーラーに入れていただきましたが、出し入れがスムーズなこのクーラーが気に入り、自宅用にネットで即買いしちゃいました。笑

 

歓声があがる鍋!

 いよいよ鍋、目の前に運ばれた途端に、思わず「わーっ」と、声が出てしまいました。ゴージャスでパンチがあってしかも美しい、お肉の巨大ドーナッツ・・・なんとも楽しい驚きです。博多でも東京でも、金蔦のお店の方々は、こんな歓声を耳にするたびに、炊き肉鍋を作ってよかったと思っておいでとのこと。さもありなん、それは獺祭を飲んだお客様の「ああ、美味しい」の言葉に、喜び励みを感じている旭酒造の社員と同じです。

 

この巨大ドーナッツのお肉の下にはキャベツとネギがたくさん入っていて、実はヘルシー。牛テールからとったスープに入れ、火が通ったら専用のたれでいただきます。トマトだれと牛テール塩だれはお好みで。薬味は博多本店オーナー奥様お手製の梅味噌Pepperが2種、どちらもピリリと刺激的なのにコクがあるのは、3年熟成させたものだからだそうです。和牛と黒豚、どちらも柔らかく美味しく、ひんやり感を保った獺祭とともに、巨大ドーナッツはほどなく筆者のお腹におさまったのでした。ああ満足!夏の鍋、オススメいたします。

 

おもてなしをどうぞ

 〆のラーメンをいただいた後、デザートとともにでてきたのは、お抹茶。表千家のおうすです。盛山さんが立ててくださいました。炊き肉鍋のあとの口の中に、まろやかなほろ苦さとともに茶葉の清々しい香りが広がり、心も体もスッキリしました。おもてなしって、こういうことなんだなと実感します。

 

ところで東京オリンピック誘致以来、“おもてなし”流行りですが、おもてなしとサービスの違いはどこにあるのでしょう。例えばレストランに入って、傘や荷物を預かってくれたら、それはサービス。その際に、心に残るような言葉かけがあったら、それはおもてなし。席についておしぼりが出てきたら、それはサービス。おしぼりにハーブの香りがしたり、温かいものと冷たいものを外気温や客の好みに寄って使い分けてくれたら、それはおもてなし。つまり、予想外のサービスがおもてなしなんですね。ありがとうございました。

この日、夜が更けても相変わらずのヒートアイランド東京でしたが、さわやかな心地で家路に着くことができました。 今夜も(今日も)素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯

蔵元の蛇足

ほんとに知らない店がどんどん出てきて…。でも、最近肉ブームなんでしょうか、お肉を売りにしているところが多いですね。もちろん、最近の『肉は健康にいい』が効いてているんでしょうが。でも、『美味しい』というのは何より生き残りの秘訣ですよね。獺祭も何より『美味しい』を追いかけていきます。

あっ、宣伝しちゃった(汗)。

ページのトップ
image
image

獺祭について

旭酒造について

製品について

飲める店・買える店

蔵元情報

image