大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第十二回 『礼』 東京都(六本木)

更新日:2008.04.09|居酒屋めぐり|

礼HPは ⇒ http://www.rei-tokyo.com/

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幻想的なイルミネーションの
けやき坂

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通りから見上げた「礼」

六本木といったら、どんな町のイメージがまず頭に浮かびますか? 都会的、国際的、オシヤレ、人が多い、お店が多い。あるいは、 変化の激しい町、昔からの繁華街、大人の町、少し危険な町、 etc、etc……。
江戸時代、数多くの武家屋敷があった六本木は門前町でした。 明治時代以降もお屋敷町として比較的、静かだったそうですが、 日本軍の軍事施設ができ、終戦後、その施設が米軍に接収さ れたことで、六本木はインターナショナルな雰囲気を持つ町へと ガラリと変わりました。今では、新宿歌舞伎町と並んで、 “眠らない街”というイメージがわたしにはあります。 その、眠らない街、六本木で、夜遅くまで美味しい和食とお酒を 楽しめるお店を見つけました。
ラストオーダーはなんと夜中の1時。六本木ヒルズ沿いのけやき 坂を下りて麻布十番方面に向かった、鳥居坂下交差点角にある 「礼」です。

 

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斬新なデザインの天井

2006年10月にオープン。三十席という店内はカウンター、テーブル、 半個室席に分かれており、グループでもカップルでも、ひとりでもくつ ろげるように工夫されています。スタイリッシュで斬新なデザインなイ ンテリアなのですがリラックスできるのは、モダンと和がほど良く調和 しているからだと思われます。

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色のコントラストが渋いです
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綿の花にホッとします

大阪の有名和食店・吉兆で修業されたという、店主の山田桂志氏のお料理をさっそくいただくことに します。まずは刺し盛りです。三重県尾鷲市出身の山田さんが、故郷の引本港から直送した新鮮な 海の幸が、独創的に、かつ美しく飾られています。乾杯のお酒は、充実した品揃えの中から、やっぱり 『獺祭』。 磨き三割九分を選びました。白身のお魚との相性は言うまでもなく抜群。きれいな味、きれいな香り、 キレのよさと三拍子揃った食中酒が、くえやサヨリ、しまあじの味を引き立てます。お皿の上のほのかな 灯りのせいか、たった一杯でほてってほろ酔い気分に。

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小さな炎を囲むのは、
大根です
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美味しいとこ、
盛り合わせにして
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次は何を飲みましょうと
迷うところ

『獺祭・発泡にごり』は飲みきりサイズの300mlボトル。えびいもの田楽と合わせましょう。 いさきの塩焼きもお願いしました。実は、子どもの頃、はじめて食べたいさきがあまりに美味 しく、その思い出から、自分でも時折り買い求めて焼くのですが、どうもパサパサしてしまい、 記憶に残っている味にはならないのです。デパートの鮮魚売り場などで、けっこうなお金を 使い、高級な塩をふっても今一歩。それが、「礼」でいさきを食べて、はじめて食べた あの時の感動が甦りました。さくっとして、しっとりとして、香ばしく、甘みもある。さすがにプロ の腕ですね。焼き方の秘訣をお尋ねしようと思いましたが、やめておくことにしました。ここに また来ればいいのですから。「礼」にはリピーターのお客様が多いとのこと。皆さん、わたしの ように感じるのかもしれませんね。

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発泡にごり、上手に
開栓してくださいます
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また食べたい!
いさきの塩焼き
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セロリのしょう油漬け
ビールにも合いそう

そのリピーターとなる方たちのほとんどが、様々なお酒に合わせて、魚と野菜料理を注文すると 山田さん。旬、季節感を何より大事に考えて作り出したお料理の数々がメニューに並んでいますが、 美味しそうなお肉料理もありますよ。考えた末、知事の宣伝効果もあって人気の宮崎牛、サーロイン 炭火焼きをいただくことにしました。ワインもバラエティ豊かにそろえられていますが、チャンポンする のはやめにして日本酒のままいくことにして、『神亀・ひこ孫 純米酒』をお願いしました。常温ぐらいで 飲むと、コクがあってお肉料理にもバッチリです。

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極上のステーキをさっぱりした
自家製おろしポン酢で
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だしが美味しい
紀州南高梅のにゅうめん

ラーメン屋のデザートが評判になるくらいですから、和食屋さんで洋風のデザートを食べられる ことも最近では珍しくはありませんが、「礼」のスィーツはかなり本格的。コーヒーはもちろん、ジャ スミン茶、ローズグリーン茶、高原マスカット茶など、女性好みの食後の飲み物がたくさんあるのも 嬉しいことでした。

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甘さ控えめ、コクのある
ガトーショコラ
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休日はサーファーになる
店主の山田さん

六本木や歌舞伎町は恐い町だから行かない方がいいと繰り返すように言われて育ちました。 十代の後半、背伸びしたい年頃だったわたしを周囲の大人たちは心配したのでしょう。自分で 言うのも変ですが、当時のわたしは素直で従順。決して足を踏み入れず(ほかの場所では遊ん でいましたが・・・)、大学を出て、友人との飲み会が六本木だとしても、目的のお店に真っ直ぐ 向かい、終われば帰宅という行動パターンを続けていました。ですから六本木をブラブラ歩くよう になったのは、ここ数年のことなのです。六本木ヒルズの開発にはおよそ二十年を要したとか。 「礼」を出て、ヒルズが建つ前の界隈を歩きたかったとしみじみ思いました。次は、麻布十番の 懐かしい町並みを散策し、十番温泉につかり、「礼」で夜中の和食といきたいものです。

おいしいお酒とお料理をいただく幸せに心から感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

実はこの店は2007.2.1配信の蔵元日記で取り上げた切り札レストランの「礼」です。蔵元日記では 「ここぞという日は、勝負○○○なんて着てかなくていいから勝負獺祭を是非」なんて下心が丸見 えの文章。だけど、見栄張って下心下心って言ったって、いっつも男同士じゃねぇ。前回だってT君 K君のオジサン三人連れだし。

(蔵元 桜井博志 記)

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