大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第十三回『双寿』 東京都(銀座)

更新日:2008.05.09|居酒屋めぐり|

双寿HPは ⇒ http://www.hf-energy.co.jp/soujyu/

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この看板を見つけてください。
金春通り沿いです。

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このドアが入り口。
ぐっと押しましょう。

すばり言って、今回のお店は、そのコンセプト通り、 まさに隠れ家です。静かに過ごすことも、楽しく過ごす こともできる落ち着いた和食屋さんで、昨秋に友人に 誘われて伺って以来、すっかりファンとなりました。 話題のショッピング・グルメエリアや高級ブランド店が 次々とオープンし、目まぐるしく変化してはいますが、 わたしにとって銀座はいつ訪れても落ち着いて楽しむ ことが出来る大人の町です。映画館がたくさんあるの も嬉しい限り。たまには落語や歌舞伎に行くことも。で も、でも、なんといっても銀座の魅力は『食』にあるの ではないでしょうか。世界中の国々の料理を提供する 専門店、それも名店が多いのも特徴的ですが、和食の レベルの高さは東京でも一、二を争うほど。そんななか、 平成19年6月にオープンした「双寿」で包丁を握ってい るのは、粋でいなせな若い板長、岩崎 芳壽さん。 知る人ぞ知る目白の「太古八」で修業した岩崎さんが 繰り出すお料理は、純然とした和食でありつつ類型的 な型にはまらず、食す人を時にホッとさせ、時に驚かせ、 とにかく美味しいのです。場所は銀座の七丁目。小さな お店なのでまずは予約を。そしてしっかり地図を確認し てからいらしてください。

テーブル8席、カウンター5席のこじんまりしたお店は、季節の花で彩られています。明るく迎えて くれるのはその花を心を込めて生けた女将さん。板長の包丁裁きが目の前で楽しめるカウンターに 腰掛け、まずは『獺祭・純米吟醸・磨き50』を、そば猪口でいただきます。たらこのしぐれ煮、とこぶし、 ホタルイカの酢味噌和えなどの季節の酒菜五品が、桜の枝とともに目の前に。すっと背筋が伸びる 感覚…五感すべてで旬を感じる幸せに増すものは、この世にほかにあるでしょうか。キレがよく甘み とふくらみのある『獺祭』は、手間ひまがかけられていて、しかも素材そのものを生かした肴に、とても よく合います。

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白木のカウンター内で
働くイケメン兄弟。
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『獺祭』と彩り豊かな酒菜。
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ほかにもメニューは多種多彩。
5月は「初カツオ膳」も。

実は、「双寿」に『獺祭』を紹介したのは、自慢じゃありませんが(実は自慢なんです)、わたしです。 初めて訪れたとき、お食事がとても美味しいのに『獺祭』がなかったものですから、是非にと(半ば、 強引に…)お願いしました。この日は『獺祭・発泡にごり・三割九分』もありました。できたての爽やかさ、 すきっとした飲み口、しかも芳醇な味を持つこのお酒の特徴を考え、特別に板長が作ってくださったの は、鮭の和風ソテーです。板長こだわりのおしょう油とバターが味ののった鮭と調和したインパクトの あるお料理で、これが三割九分のにごりと相性抜群なことに驚きでした。

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厳選されたお酒の
ラインアップ。
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イシダイ、弾力があって
絶品でした。
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この組み合わせに
嬉しい驚き!

〆のご飯は鯛の胡麻じょう油ご飯。そのままでも美味しく、おだしをかけてまた違う味わいが楽しめ ました。お酒を飲んだ後でもサラサラいただけるのがありがたいです。味の秘訣は“だし”と板長。わっ てもわっても味が落ちない“だし”作りの秘訣はというと、血あいを完全に取り除いた鰹ぶしを使うこと だそうです。素人には真似できそうにありませんが、お料理の工夫など、快く教えてくださるので気に なるお皿があったら板長に尋ねてみることをおすすめします。 この日わたしがお聞きしたお料理のコツをひとつ、ご紹介しましょう。それは、中トロや大トロなどのあ ぶらが乗ったお魚を刺身でいただく場合、おしょう油を冷やすと美味しさが増すというもので、わたしも 自宅で実践しました。 目から鱗でした。皆様も試してみてはいかがでしょうか。

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のれそれの生姜酢和えと
キノコのしょう油煮。
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こだわりの“だし”をかけて、
召し上がれ。

「双寿」では、ランチタイムに千円札一枚程度の価格で、3種類の定食を用意しています。水郷鶏を 使った親子丼は特に好評。ミニ懐石もあるので、奥様方、殿様方、ここだけの話、お昼からお酒を楽し むこともできますよ。 渋谷や原宿が日本のポップカルチャーを海外に発信する町であるなら、銀座は伝統と歴史ある日本文 化を発信する町と言えるでしょう。一方、さらに大切なのは、わたしたちの文化をわたしたちが守り、国 内の後代に伝えていくことだと考えます。和食と酒文化の伝統を守りながら、なおかつ革新を忘れない 努力と勇気を、『獺祭』とともに、「双寿」も担っていってくれると信じ、期待するとともに応援したいと思い ます。

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お花がいっぱい。和みの洗面室。
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左から、女将さん(お母様です)、
板長、仕入れ・営業担当の弟さん。

おいしいお酒とお料理をいただく幸せに心から感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

いかがでしたでしょう? 作者本人も自己申告していますが、「ぜひ、良い店があるから!! 紹介したい!!」 と連絡をいただいてお店に置いてもらえるようになりました。後日、訪問いたしまして、納得。板さん たちは兄弟ですが、二人ともイケメン。作者に紹介してくれた友人も女性だったそうです。さらに納得。

と、ここで終わっちゃうと作者の大平由美さんやご友人の名誉?にかかわりますから言いますと、お店 も料理もすばらしい。後日の後日、青山の居酒屋で開かれた酒の会の後、取引先の酒屋のご主人か ら二次会に行こうと誘われ、店は「双寿」と聞いて、顔がほころびましたから。銀座らしい正統派の良い 店です。(エラそうに言うほど銀座を知りゃしないんですが)

(蔵元 桜井博志 記)

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