大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第三回 『八色』東京都(東葛西)

更新日:2007.01.26|居酒屋めぐり|

八色HPは ⇒ http://yairo.omiki.com/index.html

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(写真1)エントランス

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(写真4)古酒・焼酎

東京メトロ東西線の葛西駅で地下鉄を下りたのは、決して短いとは言えない(むしろ長い・・・)人生で、実は初めてのことでした。同じ沿線の木場、浦安、同エリアでJR京葉線の舞浜などは時々訪れていたのですが、特別な用事や理由がなければ自宅から少々距離のある葛西までぶらりと行く機会はなかなかないものです。けれどこれからは、季節の変わり目や新酒の頃、ひやおろしがそろそろ味わえそうという時季に葛西へと足を延ばす予感がします。そう、それはなんとも素敵な居酒屋『八色』を見つけたからです。これこそ特別で素晴らしい理由ですよね。駅から歩いて約2分だというのに、駅前の喧騒はどこへやらというほど静かな通りに面した『八色』。淡いけれど暖かさを感じさせる立て看板、なにげなく置かれた一升瓶の組み合わせがお店の雰囲気を伝えているようで、目に楽しく心惹かれます。 (写真1…美しいエントランス  写真2…お酒のボトルがきれいです)

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(写真2)お酒のボトル
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(写真3)古酒・焼酎

店内にはもうズラリとお酒が並んでいて、何を飲もうかと幸せな悩みの時間がわたしを待っていました。日本酒が100本以上入る冷蔵庫には、ご主人の秋山さんと日本酒担当の北原さんが厳選した旬のお酒が所狭しと並び、横の棚とカウンターの上には焼酎、泡盛、梅酒が、“飲んでくれー”と語りかけてくるかのようです。
(写真3、4・・・古酒、焼酎、いろいろあります)

その夜の一杯目は、『獺祭・瓶内熟成スパークリング〜三割九分磨き 発泡にごり〜』。しかも2005年の夏に絞ったものを店長が一年寝かせておいたもの!!残りたった一本のレアものを飲んでしまうのが勿体ないけれど、ここは飲める幸せに感謝するのみ。合わせた肴は、アオリイカのお刺身。シュワッ、キリッと刺激的な味わい、広がる旨味、そしてスッと切れていく爽快な後口のにごり酒に、これまた爽やかな甘さとしこしこした歯ざわりを持つアオリイカはベストマッチでした。 (写真5・・・獺祭とアオリイカ。金のお皿によく映えます)

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(写真5)獺祭とアオリイカ
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(写真6)八色のメニュー
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(写真7)日本酒担当の北原さん

メニューには旬の素材を使ったお料理の数々が並んでいますが、中でも卵10個使って豪快に作られただしまき卵はボリュームがあってしかも繊細で懐かしい味がする逸品。カウンターにたまたま同席したお客さんたちと分け合って食べたりしてちょっとした常連気分に。『天明・純米吟醸生酒』『七田・純米無濾過・おりがらみ』『上喜元・純米吟醸』『獺祭・遠心分離50本生』・・・・・・そしてラストは『出羽の冨士 原酒』をお燗でいただきました。適温よりも少し高めにお燗し、それが適温に下がったところが一番おいしいとご主人の秋山さんは言われます。そのお酒が持つ本領が発揮されるというのでしょうか、品のいい甘さとやわらかさが引き立っていました。
そんなに飲んだのかと呆れられないために一言。こちら『八色』では、小ぶりのグラスでティスティングができるのです。普段は高価で手が出ない大吟醸も、たくさんはいらないけどどんな味か知りたい古酒も、リーズナブルにしっかり味わえます。
(写真6・・・食欲をそそるお料理の数々、写真7・・・冷蔵庫からお酒を選んでくださる北原さん)

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(写真8)愛煙家用テーブル

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(写真9)日本酒担当の北原さんと筆者

『八色』は年中無休です。ただし、田植え、稲刈りなどの農繁期にはお休みすることがあるそうで、その辺りのお話をカウンター越しに秋山さんに聞くのも楽しいです。日曜祭日にゆっくりお酒を楽しめる場所は貴重です。
『八色』は禁煙です。何よりお料理やお酒の香りと味を損なわないし、服や髪にタバコの匂いがつくこともありません。早い時間に家族で(子ども連れで)行ってお食事するのも安心。おっと、スモーカーの方々、心配はありませんよ。ドア近くに灰皿があり、吸いたいときはそれを持って外にどうぞ。外気とともに吸ったほうがタバコはおいしい、そうですよね。 そして最後に奥様の美智子さんについて書かずにはいられません。仕込み水をたくさん出してくださってありがとうございました。奥様の気遣い、柔和でおっとりした対応に、熱い酒党の『八色』ファンたちは、さぞかし癒されていることでしょう。
ほろ酔い加減で乗った帰りの地下鉄で乗り合わせた、ほんのり赤い顔のビジネスマンやOLさんたちに、「どんなお店で飲んできたんですかぁ?」と話しかけ、「わたしが行ったお店は・・・」と自慢話を始めたい気分になった自分がほほえましいような気恥ずかしいような。 きっとわたしも『八色』で癒されたんですね。
おいしく楽しいお酒とお料理、幸せなひとときに感謝して・・・乾杯! (写真8・・・愛煙家は手前に見えるテーブルで集うことができます 写真9・・・学童保育の先生でもある北原さんと筆者)

蔵元の蛇足

この「八色」の秋山さんは以前高田の馬場で「ありのみ」という居酒屋をやっていて、そちらも良い店でした。ある日、「今度、店のお客さん達と酒蔵にキャンプに行ってもいい?」と聞かれて、「そりゃいいけど・・・だけど何もありませんよ」と答える私に、「大丈夫。テントの張れるような場所さえあれば」と笑顔で話した秋山さんは、その夏、本当にお客さんたちと山奥の何も無い酒蔵にキャンプにやってきました。
結論は・・・、また来てほしい。だって、皆さんねぇ。「うまい物ご馳走しますよ」って、食材持参で、しかも「秋山」という素晴らしい包丁人付で、酒蔵に来て、前の空きスペースに自分達でキャンプして、酒蔵にとったらまったく手かけずで旨いものが食えるという天国みたいな企画でした。

皆さんも行かれたら私と同じ「美味しい体験」ができますよ。 (蔵元 桜井博志 記)

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