大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第五回 『酒縁 川島』東京都(武蔵小山)

更新日:2007.03.26|居酒屋めぐり|

酒縁川島HPは ⇒ http://www.kappore.co.jp/com/kawa.html

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この矢印を目指して来てください!

武蔵小山といえば、800メートルにも及ぶ巨大アーケードのある商店街があることで知られています。この商店街、50年以上の歴史があるとのこ とですが、今回ご紹介する『酒縁 川島』も、今年でお店を構えて28年を迎えるのだそうです。“お店を大きくしてはどうか” “駅ビルに移転したら・・・”といった幾多の誘惑に抗い、同じ地で同じ店構えのまま、選りすぐりの地酒と創作料理で、酒好きのみならず、多くの人々の心を掴んでいます。
東口から右に向かって歩き、まだ5分もたたないのに辺りは暗く静かになって、道を間違えたのではないかと不安を覚え出そうかという頃、ふいになんともユニークな装飾が見えてきました。その奇抜さの素とも言える電飾の矢印に素直に従い、のれんをくぐりました。

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自由に選べるお猪口。
ちなみに花札では遊べません。

店内もこれまたユニークです。壁一面に貼られた全国銘酒のラベル。招き猫でもなく魔よけのようでもなく、でも愛嬌のある不思議なお面。お客の好みで自由に選べるたくさんのお猪口とそれを彩る花札と花飾り・・・etc.・・・etc。絶妙とも不思議ともとれるギリギリのエッジで調和が取れており、実にカラフルで楽しいのです。内装に見とれてポカンとしているわたしに、店長のママと ご主人の板長さん、スタッフの岩井さんがにこやかに声をかけてくれました。

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所狭しと貼られたラベル達。
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酒瓶、写真もたくさん。
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うーん・・・お面です。

まずはビールとお願いすると、7〜8種類の缶ビールが目の前に。各地の地ビール、オリオン、ラガー復刻版などから、ラガーの明治時代の味を再現したものをチョイス。山陸海を一皿に盛り合わせたお通しといただきました。のどの渇きがスッと取れて、“さあ、お酒”と臨戦(?)態勢に入ります。

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渋いデザインがカッコイイ。
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味と栄養のバランスの取れた
3品盛り。

 

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お刺身とお酒の
最高の組み合わせ。

そしてお酒ですが、スタッフの岩井さんのアドバイスを伺いながら、まずは「獺祭・三割九分 遠心分離磨き」を一合。ほのかな香りと豊かな味。のどごしのキレもよく確かな手ごたえを感じるお酒です。こちらでは、二割三分や発泡にごりもよく置いてあるそうで、「獺祭」ファンとしては嬉しい限りです。

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お酒はもちろん映画にも
詳しい岩井さん。

お酒の好み、飲み方は人それぞれです。『酒縁 川島』では、様々な銘柄が楽しめるように、お酒のコースが3種類用意されています。たとえば真ん中のコースですと2000円〜2500円で4〜5銘柄を楽しめます。個々人のアルコール許容量、予算などを考慮に入れてお選びください。ここでちょっとした秘策をお教えいたしましょう。それは、お好みで選ぶお猪口、グラスを大ぶりのものにすること。岩井さんが景気良く注いでくださるはずですから。

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深い甘みとリッチな
味わいの 大吟醸

この夜、わたしがいただいたお酒は、「臥龍梅・大吟醸 無濾過原酒」 「会津中将・ゆり」「開春竜馬 生もと純米」「末廣・会津高田梅 梅酒」。
そして、吟醸酒の酒粕に漬けたチーズ、気づかないほどに細かく刻んだ野菜がたっぷり入った、オリジナルソース添えのメンチカツ、トリュフがこっそりと隠された、香り高い茶碗蒸しを、お酒に合わせて楽しませていただきました。

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酒蔵の奥様とお嬢さんで
すべて手がけたそうです。
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愛情たっぷりのメンチカツ。
3のつく日限定ですが
予約すれば食べられます。
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予約していった人に、
なんとサービス!!!
この日はトリュフ入りでした。

 

気仙沼出身のママの人力でこそ集められたと思われる海の幸、山の幸を素材にして、板長が繰り出す斬新で創造力溢れるお料理は、どれもこれも美味しそう。
お酒を飲めないというお隣さんが食べていたキノコたっぷりのカレーをはじめ、カキのグラタン、白金豚の網焼きなどなど、通い詰めて壁のメニューを食べ尽くしたいという誘惑に駆られるのは、わたしだけではないでしょう。

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メニューの一例・・・茶碗蒸しの巻・・・
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笑顔のすてきなママと、
何でも作って下さるご主人の板長さん。

 

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おいしいお酒と肴、
素晴らしい人々に囲まれて
幸せです!

加えて特筆すべきなのは、『酒縁 川島』主催で年に1回、日本酒フェスティバルが行われていることです。参加蔵元は約60。目黒雅叙園で大々的に行われるイベントは、“宝の山、宝探しの旅”のように新しい発見に満ち満ちているのだそうです。ひとつの居酒屋にこんなにも組織力があるとは、驚きを超えてまるでミステリー。
もちろん、『酒縁 川島』のテーマとも言える言葉、
──酒に出合い 肴に出合い 込められた想いを味わう──
にあるように、お店の魅力、そして川島さんご夫婦のお人柄もあるでしょうが、28年という居酒屋としての歴史に、そのパワーの秘密が隠されているように思えてなりません。
文化が一朝一夕にできあがるものではないように、古くから人々に愛されてきたからこそ日本酒が日本文化として根づいているように、『酒縁 川島』には居酒屋としての文化がすでにそこにあると感じました。
第6回目を迎える今年の"日本酒フェスティバル2007"は、6月10日の日曜日に開催されます。どうぞお楽しみに。

お酒とお料理と、それを楽しめる幸せに感謝して…乾杯!

蔵元の蛇足

いかがでしたでしょう。実は「立派な酒飲み??」の一人として、当然、私も行ったことが有ります。これ読んでたら、岩井さん(川島といえばこの人。物腰柔らかでセレクト的確。)セレクトの美味い酒をご主人の作る料理で飲みたくなってきちゃったなぁ。T君、K君、そしてこのわがままな蔵元に酒を付き合ってくれそうな「酒飲み」のオッサンの皆さん、年齢問わず・自称・他称問わずの美人女性の皆さん、今度ここ行きましょう。

(蔵元 桜井博志 記)

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