大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第六十回 番外編 フランスレストランウィーク

更新日:2015.10.30|居酒屋めぐり|

日本酒をどこで飲むかといえば、真っ先に思い浮かべるのは居酒屋です。だからこその、このブログのタイトルなのですが、昨今は居酒屋、日本料理屋以外、様々な場所で日本酒がいただけるようになっています。中でもワインの独壇場であるフレンチで、時には『獺祭』を楽しみたいものです。でも、でも、フレンチって重いし……と思っていますよね、皆さんっ! しかし、日本にあるフレンチレストランですよ! 繊細な感覚と技術を持つ日本人シェフが素材重視でお料理をして、『獺祭』に合わないなんてこと、あるでしょうか。まあ、そうはいっても、フレンチって高いし……とおっしゃる皆さん、年に一回、秋にフランスレストランウィークというイベントが日本で行われているのをご存知でしょうか。全国のフレンチレストラン約500軒で、ランチ2215円、ディナー5000円で限定コースをいただけるお得な16日間。今年で5回目を迎えたこのレストランウィークですが、年を追うごとに『獺祭』をメニューとマリアージュさせるレストランが増えてきているのです。そこで、今回の居酒屋めぐりは趣向を変え、フレンチめぐりといきましょう。まず1軒目は、オシャレな町、白金高輪にある、食べログ4.16(2015年10月現在)という人気店、アルシミストです。

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○ アルシミスト (東京・白金高輪)

http://alchimiste.jp/

 オープンして5年目のアルシミストは、8年間にわたってフランス各地で修行してきたシェフの山本さんが、フランスの地方都市とパリの味を見事に融合させた新感覚の創作フレンチ。レストランウィーク中のディナーは、5皿による構成で、一皿目からこちらの予想を裏切るおもしろさ!! サーモンクリームの入った、なんと”エクレア”です。お酒は『獺祭 スパークリング 発泡にごり酒』。エクレアの甘い風味が鼻をくすぐり、次に来るのはスモークされたサーモンの香ばしさとマイルドなクリーム……美味しい……さて、獺祭のスパークリングとのマリアージュはいかに。ほのかなお米の甘い香りが、品のいいサーモンの後味を生かし、そしてギュッと引きしめるのを体で感じることができました。なんだろう、この幸せ感……。次のお料理をワクワクして待つ時間すら楽しいなんて!

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そして二皿目もスィーツ仕立て。フォアグラのクレームブリュレに洋ナシのクリームとビスタッチォを添えて。本場フランスのPICという三ツ星店のレシピをこっそり教えてもらい、シェフが再現したものだそうで、旬の時期にはマンゴクリームを添えることもあるそうです。そちらもいただきたいなあ。パンは店内で焼きあがったばかりで、ホワホワの湯気が立ちのぼっていて思わず興奮。これまた自家製のバターとともに。わたしとしたことが、暫し、お酒を飲むのを忘れそう(笑)。

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魔法にかかったように時を味わう

 次のお料理はホタテのグリル。添えられたナスのピューレのほのかなえぐみがホタテの味を調えて美味。『獺祭 磨き二割三分』は料理に合わせるのが難しい酒という人もいるけれど、物事は単純で、美味しいものには美味しいものを組み合わせるのが良いと素直に思います。メインの黒豚のお料理は、森がイメージされたメルヘン・アート。パセリが苔、ゴボウは倒木、ごろごろの里芋はムカゴで表現されています。味は勿論、見た目でも、お客を魔法の世界に引きずり込んでしまうアルシミスト(錬金術師)、さすがです。レストランウィーク期間以外でも、アルシミストでは『獺祭』が提供されていることがよくあるそうですので、”フレンチにワインもいいけど、『獺祭』もね”という方は、ご予約の際に、合わせて確認されることをおススメいたします。そして、言わずもがな、別腹のデザートは海をテーマとしたバローナのチョコレートと春菊のアイス(春菊!!)です。魔法の時間はいつか終わるものとわかってはいますが、しばらくこのまま、ふんわりしていたい……そんなお店です。山本シェフ、ソムリエの飯塚さん、また伺いますね。

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○ ロテスリーレカン (東京・東銀座)
http://www.lecringinza.co.jp/rotisserie/

 次のフレンチは、あの三ツ星レカンの姉妹店、ロテスリーレカンです。ロースト料理を取り入れていることから名付けられたというこのお店は、ミキモトビルの建て替えでお休み中のレカンのカジュアル・スタイルと言われていますが、どうしてどうして。青と白でまとめられた清潔感漂う店内の中央にあるロブマイヤーの見事なシャンデリア、使用されている器などから高級感が漂い、オシャレをして訪れたくなるレストランですが、それでいて、お値段はリーズナブル。おまけに今回のレストランウィークでは、想定を超えた『獺祭』の合わせ方を試してくださいました。驚くなかれ、フレンチにお燗酒っ!!!!!! さあ、渡邊料理長のロテスリーレカン・ワールド、写真とともにご案内いたしましょう。『獺祭』を、しなやかに優雅にサーブ、説明くださるのはソムリエの宇佐美さん。ワインの知識はさることながら、日本酒についてもかなりご存知。楽しく会話がはずみます。

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まず一皿目、かわいらしい4つのお料理からなるアミューズは、ウェルカム・ドリンクの『獺祭 スパークリング発泡にごり酒』といただきます。能作のスプーン置きが美しい。白カビのチーズには『獺祭』の酒粕が入っています。やさしい香りにうっとり。

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パン通に人気の、レカン自家製パン。オシャレな器も能作です。

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秋を感じるサバのマリネには『獺祭 磨き二割三分』を合わせます。二割三分の懐が深さがサバの滋みを受け止め、バランスの取れた組み合わせでした。

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キノコのソテーに添えられているのは、栗のパウダー。これが、ふーんわりしていて、そこはかとなく甘いなかに、わずかな苦味が感じられる一品。様々なキノコたちと一緒に味わっていると、まるで自分が森の中にいるかのように思えてしまいます。『獺祭』に出会う前はワインが好きで、リーズナブルなランチタイムにあちこちのフレンチを訪れていたものですが、お料理って変化し、進化しているのだなあと実感した次第です。

飽くなき探求心、そしてチャレンジ!!!!!

この瞬間を待っていました!

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お皿も熱々の舌平目のグラタン仕立て、そして『獺祭 磨き二割三分』のぬる燗です! いやあ、そもそも、なぜ燗酒が……。それは、ソムリエ、宇佐美さんの日本酒に対する思いから。世界中には数えきれないほどのお酒が存在します。が、しかし、日本酒以外のお酒は、飲むにふさわしい温度帯がそこそこ限られています。きっかりこの温度でなければ美味しくないというお酒がほとんど、とも言えます。日本酒は、冷たい状態から常温、燗、と、様々な温度帯で味わいの変化を楽しむことのできる稀有なお酒なのです。ならば、フレンチのお皿に合わせた温かい『獺祭』を、と、温度、温め方など、試行錯誤を繰り返されたそうです。二割三分を燗にするとはもったいないという声が聞こえてきそうですが、燗酒にしても二割三分はきれいな香りを残し、やさしく丸くまろやかで美味しいのです。チーズ、舌平目との相性も申し分なし。ご馳走さまでした。

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メインはホロホロ鳥のグリル。ご自慢のロースト料理、ここはオススメの赤ワインをいただくことにいたしましょう。正直、ワインを飲んでいると段々と酸味がきつく感じられ、最近は敬遠気味だったのですが、こちらのワインはすーっと入り、深く香り、いやなところなど全くなく美味しくいただきました。過去のわたしのワインの選び方、買い方が間違っていたようで……反省。これからはワインもまたたくさん飲まなくちゃ。(えっ……?笑)

日本にいることの幸せ  

 1日に3回、ご飯の時間はやって来ます。1年に1095回、人生80年として、8万回以上、わたしたちはご飯をいただくのです。そんなにも多くの食事の時間を、もし楽しむことができなかったら、人生ってなんだか残念ですよね。共に食べる人がいてこそ、ではありますが、お食事そのものの美味しさは非常に重要です。フレンチ、イタリアン、中華、その他、日本で味わえる世界の食のレベルは世界一といっても過言ではありません。海外から戻っていつも感じること、それは”ああ、日本ってご飯が美味しい”、それに尽きます。さらに、国酒である日本酒、それも『獺祭』なら、国の枠を越え、様々なお料理とのマッチングが楽しめる……それもこれも日本にいてこそです。今から、来年のフランスレストランウィークが待ち遠しくなってしまいました。

今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

結局、、、美味けりゃ良いんですよ。
美味い料理と美味い酒。「獺祭」は美味い酒としての責任を果たす・目指すことだけを、唯々、考えております。不味い料理と不味い酒がどんなにマリアージュしたって、、、何か価値があるでしょうか?

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