大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第六十三回 「鈴なり」(東京・荒木町) 

更新日:2017.05.22|居酒屋めぐり|

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13023513/
(食べログより)

 月日の経つのは早いものですね。少しのんびりのつもりが、この居酒屋めぐり、ずいぶんと久しぶりの更新となってしまいました…反省し、気を引き締めて(??)行ってまいりました。昨今、美味しいお店が軒を連ねると評判の新宿荒木町地区にある、2012年度からミシュラン星付きの超人気店「鈴なり」です。土曜日などは2ヶ月以上は待たないと予約できないというカウンター割烹のお店です。実際、火曜日でしたがわたしも結構、待ちました。ご予約なさるときは、その覚悟でお電話されてくださいね!!

 

旬を知るからこその、ほどよい味わい

店内に入ると、まず感じる安堵感。なぜかあったかい気持ちになりました。カウンター奥では店主の村田さんと料理人の方々が凛としてお仕事されているのですが、堅苦しさは皆無。わたしのようなはじめての客のことも、ふんわりと受け止めてくださる雰囲気が心地良く、すっかり物慣れた人のようにカウンター席に座りました。お料理はスタンダードのコースをお願いしました。一皿目の旬菜の盛り合わせは春から初夏の装いです。えんどう豆の葛どうふ、岩もずく、稚鮎にホタルイカなどなど、酒好きにはたまらないお料理の数々…自然の味と香りが生かされていて、選んだお酒『獺祭 磨き二割三分』と相まっていい感じにお腹におさまっていきます。ガツーン系ではなく、ふくらみと甘みを持ち、雑味のないきれい系の二割三分。旬のお料理と引き立て合う、ほどよい調和…幸せな時間のはじまりです。

 

定番の玉地蒸し、最高です

 次は「鈴なり」の定番と言われている、生うにの玉地蒸し。玉地というのは、玉子の汁という意味だそうで、普通の茶碗蒸しよりとろとろでぷるぷる。ここでも絶妙な甘さの玉子が生うにを包み込み、口当たりよくスルリとのどをくぐっていくのが感じられ、もう「美味しい」の言葉しかありません。本マグロ、イサキ、あらまさなど5種のお造りも素材の良さがストレートに味わえる一品でした。調子づいて『獺祭 磨き三割九分』はガラス製の目にも涼やかな2合徳利でお願いしちゃいました。

 「鈴なり」は2005年12月にオープンしたとのこと。村田さんは門前仲町生まれの行徳育ちで、はじめは地元でお店を立ち上げようとなさったそうですがうまくいかず、荒木町にされたそうです。うまくいかなかったことが今に結びついている訳で、失敗からはじまった旭酒造と共通点があるんですね。カウンター席の特権は、料理人の包丁さばきを見るだけでなく、お忙しい中にもこんな風にお話を伺えるのがお得で楽しいな。スズキの麹焼きと姫竹に合わせて、今度は二割三分をぬる燗にしていただきます。可愛らしいおちょこに和みます。

 

妄想も想像もひらりとかわされる快感

 一昨年あたりから突如として起こった肉ブームは、テレビや雑誌メディアを中心にまだまだ広がりを見せていますが、きめ細やかな旬の味があるのは、やっぱり山海の幸を使った和食だと思います。自分が作るのも、食べに行くのも、中心は和食。そうなると、評判のお店に行っても、この素材はこう扱う、味付けはこう……と、素人ながらもだいたいの見当がつくものです。コースの後半には「〆のご飯は何だろう…今の季節なら桜海老かな、タケノコかな、それともお豆かな」と楽しく妄想、いや、想像するのですが、今回はワォと声が出てしまいました。この日の〆のご飯は、なんとカリカリ梅とタコのご飯!! 土鍋の蓋をあけて目に飛び込んできた薄赤のきれいだったことといったら!! かりかりした食感はさることながら、梅の優しい酸味とタコの旨みがセリのほろ苦さと合わさって、お腹いっぱいのはずなのにおかわりが止まらないご飯なのでした。デザートまででスタンダードコースは7,500円というリーズナブルさも大きな魅力です。次はもう一つ上のランクをいただきたいものです。

荒木町は、かつてはお江戸の箱根と呼ばれたほど緑と滝のある池が点在していたそうです。人が集まる景勝の地に自然と備わったかつての花街の風情を今も残しつつも、いつしか食の街となっていった荒木町、また訪れようと心に決めました。
今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

荒木町ってものすごく趣のある飲み屋街ですね。という事は若干(大幅に?)路地が暗いという事ですね。それも魅力の一つですが。私も、もう10年ぐらい前に、そんな荒木町の暗い路地で、清純派でデビューして途中でセクシー路線に転換した、その大胆な衣装とダンスで当時の私たち青少年??の目をくぎ付けにしたある歌手にばったり出会ったことがあります。それも、漆黒のマントを羽織った姿!! 付き人も誰もおらず、ただ一人。

いや、暗闇にその姿ですからびっくりしました。でもきれいだったなぁ。あ、今回はまったく関連性なしですね。そんなことがあったというおじさんの雑談です。すいません。

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