大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第十八回『日本海庄や 銀座数寄屋橋店』(東京・銀座)

更新日:2008.12.12|居酒屋めぐり|

HPは ⇒ http://r.gnavi.co.jp/g696408/

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銀座数寄屋橋交差点に
面したビルの中です。

宴会の季節がやってきました。忘年会や新年会の場所はもう お決まりでしょうか?ビジネスマン・ウーマンのみならず、サーク ルの集まり、お母さんグループ、同窓会などなど、食べて飲んで、 話して和んで、大いに楽しみましょう。不景気で沈滞気味な空気 を振り払ってしまいましょう。今回は、そんな語らいの場として最 適のお店「日本海庄や 銀座数寄屋橋店」です。『獺祭』もデビュ ーしました!

脱・スパークする『獺祭』で乾杯!

物心がついたときから、おっと間違えました、お酒が飲める年齢に なってからというもの、“まずはビール!”、“取りあえずビール!”が 当たリ前でした。昨今、その風潮が崩れ、人それぞれ、あれやこれや のオーダーが揃うのを待ってからの“乾杯っ!”も多いと聞きます。 「日本海庄や・銀座数寄屋橋店」は、夜景のキレイな個室がいくつもあ り、落ち着いた雰囲気の居酒屋ですが、そうはいっても、ここは「喜ん で!」の庄やグループのお店です。勢いよくビール、と思ったら、待って ください。メニューに『獺祭・スパークリング』という文字が・・・・・・。 ならば乾杯は、もうこれで決まりというものです。

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獺祭・スパークリングで乾杯!
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美味しそうでかわいいお魚たち。
いただきます!

 

おかみさん

しばらくすると、おかみさんがご挨拶に来られました。和服をさらり と着こなして、個室から個室へ、大人数でも大丈夫の広間からテー ブル席へとすすっと軽やかに動いて笑顔で対応する姿が粋なんです。 御代川 善子さんとおっしゃいまして、とにかく丁寧で心のこもったご 挨拶に、ふっと心が和みます。オンからオフへの切り替えスイッチが、 スムーズに自分の中で入るのを感じます。ここでは、どのお客様にも こうしておかみさんが挨拶の回られるとのこと。気配りも細やかで、行 き届いたおもてなしは嬉しいかぎりです。

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居心地の良い個室。
予約がオススメ。
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大勢でわいわい楽しめる広間。

 

これぞ、居酒屋メニュー

食べ物は、何を頼んでいいのか迷い出したらきりがないほどですが、野 菜の天ぷらと串焼きの盛り合わせ、おばあさんのコロッケ(ネーミングだ けで頼みたくなっちゃいます)などをお願いしました。メニューには各料理 のたんぱく質、塩分、カロリーなどが表示されているので、お腹の減り具 合や体調と相談しながらオーダーできます。まあ、そのうちそんなことに は目が行かなくなって、食べたいものを食べることにはなるんですが。英 語の説明もあるので、外国のお友だちと来ても安心です。たぶん。そうそ う、あらかじめお願いしておけば、特製の刺し盛もつくってくださるかも。

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やっぱり食べたい、
揚げ物・串焼き。
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ホクホクでアツアツ、
日本人の味の故郷、コロッケ
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スペシャルでマグロの刺し盛も。

 

お酒の値段

「日本海庄や・銀座数寄屋橋店」には、それはそれは多くのドリンク がバラエティゆたかに取り揃えてあります。なかでもカクテルは秋の新 しいメニューだけでも11種類。黒糖梅ネーブル、エスプレッソ・ジンジャ ーなど、どんな味なのか想像がつかないようなものもあって刺激的。そ れも500円程度、ワンコインで済むので次の一杯を頼みやすいのです。 ところが日本酒はというと、一合の値段となっており、おおかたが680円 以上。あれもこれも試したいわたしにとっては、少し考えてしまうところで す。これは、ほとんどの居酒屋さんについて同じことが言えるのですが、 小ぶりのグラスでカクテルなどと同じ500円程度で提供していただければ、 もっと杯が進むように思うのです。 レストランでもバーでもない、何でも飲めて何でも食べられ、笑顔と語らい に満ちた居酒屋は、世界には例がないと聞きます。日本文化と言っても 過言ではありません。居酒屋でこそ、美味しいお酒を楽しみたいと思ってい るのは、わたしだけではないと思います。

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ドリンク・メニューに
『獺祭』が登場!
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バラエティに富んだサービス
心あふれるメニュー。

 

今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

(今回は長いですから興味の無い方は読み飛ばしてください)

いかがでしたでしょう。実は今回から一部店舗という限定付ですが、 「庄や」グループに「獺祭発泡にごり酒50」を取引先の酒販店さんを通し て納入しています。「獺祭を扱いたい」とアプローチが有った後、調べ てみるとすでに店長決裁でグランドメニューとは別に「獺祭」を置いて いる店も多くて、「地酒を飲みたいならチェーン居酒屋に行け」と言う 逆説のような言葉が本当なんだと実感した次第です。

また、巨大居酒屋チェーンのレベルが高いのも再認識しました。確か に店のつくりもサービスのレベルも料理も一頭地を抜いています。「肝 醤油添えのカワハギの薄造り」なんて「東京でもこんなカワハギが食べ られるんだぁ・・・・!!」と感激しましたから。 そんな巨大チェーンからのアプローチです。先方にとっても、いまさら 少し売れてるかもしれないけど「ただの地酒」をわざわざ本部決済で扱 う必要があるのか。また、旭酒造にとっても「酒が足りるんだろうか?」 と心配しているような状況で「このような巨大チェーンにお願いしちゃ っていいものだろうか?」と、納入まで非常に悩んだ決定でした。

お客様の声を聞いていますと「みんな知らない幻の銘柄で、僕だけが知 っているところに獺祭の良さが有ったんだから、あんまりあちこちにお かないでくださいね」などと言う言葉をよく耳にするのも事実です。「う ちだけが扱っている」という希少性を売りにしているお酒屋さんもよく 目にします。

「有名酒販店の推薦でグルメ雑誌に取り上げてもらって銘柄を認知して もらい、少量生産の希少性で売る」という最近の地酒の戦略パターンか らすると全くの逆行です。本当にこんなことしちゃっていいのか。

実は、飲食業の店頭で日本酒の売り上げがどんどん落ちています。飲食 店向け専門の酒販店さんに聞くと東京の飲食店のアルコール飲料の売り 上げにおける日本酒の売り上げは3%程度じゃないかという推測です。そ こまで悪くないという酒販店さんもいますが、そのあたり加味しても5〜 6%というところが妥当な数字のようです。

これむちゃくちゃな数字でしょう? しかもこんな状況にもかかわらず、 この30年間の地酒業界は「大手メーカーが悪い酒を造るから日本酒の売り 上げが落ちた」と、大手メーカーの責任だけ追及してきました。でも30年 間落ち続けて来た日本酒業界の推移を考えると、「大手メーカーの悪口 を言うことに安住し、自己変革を放棄してきた地酒業界の責任も重い」 と、慙愧の念とともに感じるんです。

こんな中で、いつまでも希少性を売り物にして自分だけが生き残るので 良いのか? 自分だけがよければ良いのか? 日本酒の将来を考えればより 新しい提案でお客様に魅力を感じてもらう努力を我々はすべきじゃないか?

そんな思いで、このお声がかりに乗りました。まず、「発泡にごり酒50」 をグループ内の高級業態である「日本海庄や」に導入してもらいました。 まだ、今回の導入は一部店舗だけです。(同じ日本海庄やでもグランドメ ニューに乗っていない店も有ります・店の選定に関しても少し相談させ ていただきました・私どもの思いを伝えて理解いただける店という条件 です)

本文の中でも大平さんが少し言及していますが、枡の中にグラスを入れて 注ぎ零すというスタイルは遠慮させていただきました。このよくある地酒 の提供スタイルが日本酒の女性や若いお客様などの層への普及を阻害して いると感じているからです。何とか、いくつかの実験を通して新しい日本 酒の飲酒スタイルを創り出したいと思っています。

一番ありそうなスタイルを外して始まった巨大居酒屋グループと獺祭の実 験、是非、ご意見があれば教えてやってください。私どもにとってはリス キーな第一歩です。しかし、将来の日本酒の市場を考えるとき既存の成功 体験から踏み出していかないと明日は無いと考えています。全体から見れ ばドンキ・ホーテのような試みかもしれませんが、今の日本酒市場を考え ればいろいろな試みをすべきときと思います。

(蔵元 桜井博志 記)

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