大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第十九回『分とく山』(東京・広尾)

更新日:2008.12.28|居酒屋めぐり|

HPは ⇒ http://gourmet.livedoor.com/restaurant/13316/ (livedoorグルメより)

〜獺祭コラボ・ディナー  世界のトップソムリエたちとともに〜

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コラボ一行 お店の前で笑顔です
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ブロックを使った斬新なデザイン

日本酒が海外でブームになっているというニュースや記事を、今年はずい ぶん目にしました。和食店がワインを置くように、海外ではフレンチ・レストラ ンが日本酒を置くようになってもきました。そんな折りも折り、フランスからトッ プソムリエ一行が、酒蔵探訪のために来日されました。そして、旅程の最後に、 東京ミシュランで星ひとつ獲得している広尾の名店、分とく山にて『獺祭』と和 食の取り合わせの妙を体験していただこうという運びとなったのです。

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階段を上がって2階へ
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緑の中、こんな個室も

 

香りで飲む、味で飲む

『獺祭・磨き二割三分』で乾杯して後、さまざまな試みにトライしました。塩 辛と酒、塩辛と白ワインを飲み比べたらどんな味がするか、同じ酒なのに、 形の異なる様々なグラスで飲むとどう感じるか、などなど。 塩辛の生臭さは、酒なら消し去ってくれるけれど、白ワインはどうやら助長し てしまうらしいと、全員が意見の一致をみました。 グラスについて言えば、グラスを変えることで香りの立ち方がかなり変化し、 味にシビアなソムリエといえど、同じ酒を違う酒と感じてしまうケースもあり、 少し大げさかもしれませんが、香りで飲むソムリエ、味で飲む蔵元という印象 を持ちました。ソムリエの統一見解は、ワイングラスで美味しさが続くことが、 すぐれた日本酒の条件であること。この条件、世界で日本酒が受け入れられ るようになるための入り口ではないか、これは、分とく山の総料理長である野 崎さんの弁。なるほどなあと思わせられます。

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お食事前に、まずは利き酒
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グラスいろいろ 味わいさまざま

 

この食にしてこの酒、この酒にしてこの食

分とく山の懐石は、どれを取っても美味しく、旬の味が絶妙のタイミングで 出てくるのが素晴らしい。お造りには、土佐しょうゆと3年寝かせたしょうゆの 2種類が添えられます。お酒は『獺祭・二割三分遠心分離』。野崎さんは、初 めてこの二割三分の遠心分離を飲んだ時、食道のまんまんなかを、お酒が すーっと通っていく、と感じたそうです。ステキな表現! この食、この酒、そのどちらが欠けても成立しない世界がありました。感動し つつ、語らいつつの楽しいコラボとなりました。

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この食 この酒
日本人でよかったぁ
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白菜すり流し鴨団子スープ
絶品!

フランスのトップソムリエは、一皿食べるごとに、“二割三分遠心分離を自 分のレストランで出すとしたら、どんなフレンチスタイルの料理を提供するの がいいか”“今、食べている素晴らしい日本食を、どのようにアレンジしたら 『獺祭』とマッチするか”を、考えているとのこと。ソムリエは、いわばデザイナ ーなのですね。食とドリンクは寄り添ってひとつなのだと、わたしもしみじみ 思うのでした。

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真剣に食べ、真剣に飲む
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そして美味しさにほぐされます

 

出会いはドラマ

料理人になってから三十年間、毎日、築地に通い続けたという歴史を持つ 野崎さん、きびきびと物静かに働く、白い割烹着に糊のきいたぼうしのスタッ フの皆さん、フランスの人々に日本酒を理解させたいと決意を語るソムリエ たち、美味しい酒造りに人生をかけている蔵元・・・・・・それぞれの歴史を持ち、 それぞれの考えを持つ人々が一同に会する偶然の、いえ、もしかしたら必然 のこの夜のドラマは、先の展開を予想するのが難しく、かつ楽しいものとなり ました。次なるドラマの筋書きは、時代の流れではなく作り手のビジョンを達 成するためのアイディアとアクションに起因していくのでしょう。『獺祭』と物語 が大好きなライターの私ですが、ぜひそこに居合わせたいと願うのです。

今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

大平由美さんの席がソムリエたちから少し離れていたので、「ソムリエたちの 話をよく聞いて報告するように」という御下命をいただいていたんですが、料 理と、もちろん酒の美味しさに(よく言いますか? こらっ! ですね)、食べて飲む のに忙しくて、全く失念してしまいました。申し訳ありません。でも、美味かった なぁ。(もっと、こらっ! ですね)

実は、今回のソムリエたちの日本来訪は「世界の食文化の華の都フランスに 実際に販売目的で日本酒を紹介する」「それも最もハードルの高いトップ・レー ティングの店から」という目的の下に計画され、山口の私どもの酒蔵にもおいで いただきました。

この話、次回の蔵元日記で来訪記を書きたいと思いますのでよろしくお願いします。

(蔵元 桜井博志 記)

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