大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第二十八回 たこ茶屋(大阪・新地)

更新日:2009.10.28|居酒屋めぐり|

【ホームページ】http://www.takochaya.com/

大阪と言えば……大阪城、道頓堀、通天閣、吉本、ユニバーサル・スタジオなどなど。そして大阪グルメと言えば、お好み焼き、うどん、串カツ……おっと、忘れてはならない一品がありました。“たこ焼き”です。東京のたこ焼きなんて本物じゃないと、関西の友人知人にずっとずっと言われ続けたこの幾星霜・・・・・・(涙)。そこで、最高のたこ焼きを求め、今回、わたしは大阪は新地にある「たこ茶屋」というお店を訪れることにしました。もちろん、最高なのは“たこ焼き”だけではありません。活きダコにこだわった数々のアラカルト、少々奮発すれば夏は鱧、冬はふぐも楽しめる太っ腹なコース料理など、充実のメニュー。さらに、さらに、何より嬉しくなってしまうのが、こちらの日本酒の品揃えです。

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入念にセレクトされてます
タコのイメージって?

皆さん、タコについてどんなイメージを持っていますか?キュートで憎めない・・・・・・というよりも、むしろ“このタコっ”とか、“タコ部屋”などの言葉に代表されるような、愛嬌はあるけど間が抜けている、といったイメージが浮かぶかもしれません。それが驚くなかれ、タコは無脊椎動物のなかで、もっとも高い知能を持っているのです。エサは、匂いではなく目で確認、記憶力も備え持ち、ストレスを感じることもあるといわれています。そんなことを知ってから行くと、「たこ茶屋」でいただくお料理を見る目も変わるというものです。お酒も最高のものを選ばなければ、タコ殿に失礼なのでは!?
ということで、『獺祭・純米大吟醸 二割三分』をお願いし、タコとハモづくしとまいりましょう。

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おおっ、二割三分の一升瓶!
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タコのマリネ 柔らかでさっぱり

「たこ茶屋」のお料理は、とことんシンプルなものと、意表をつく組み合わせの妙を持つ凝ったお皿に二分されていると、わたしは感じました。生麩のような弾力性を持つ、ほんわかした甘味の“たこの白子”は感動的。透明感がありつつ、味とコクをキープ、香りと余韻が官能的な『獺祭・二割三分』とのマッチングが素晴らしい。手長だこの踊りや平目、鱧のお刺身との相性もこの上ないものでした。いけない、飲みすぎてしまう……。

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カリッ パリッ
タコせんべい イボせんべい
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八寸盛り合わせ
また食べたいタコの白子
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目にも鮮やか 
繊細な鱧の味が生きてます
創意工夫にあふれたバリエーション

ユニークだったのは、マスカルポーネチーズを使った一品。マスカルポーネチーズとたこの卵などでつくったソースが賀茂茄子田楽にかかっていまして、まるでフレンチのよう。でも田楽ですから、これもお酒に合います。各種取り揃えてある日本酒については、お料理との組み合わせをお店に相談しながら注文するのもいいと思います。季節限定の隠し酒やビンテージの古酒などもあるそうですよ。

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デザートのように見える加茂茄子田楽
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タコ墨ごま豆腐 
組み合わせの妙を楽しんで

コース料理はまだまだ続きます。大将みずから炭火で焼いてくれるのが一興です。タコはたくさん食べても大丈夫。100グラムでたったの100キロカロリー。おまけにタウリンの宝庫で、体の疲れを取ってくれます。念願の“たこ焼き”は、あつあつをお皿に取って粗熱をとり、いただきます。ふんわりとクリーミーで、「これがたこ焼き~?」と、うなってしまいました。あまりの美味に、『獺祭』をさらに追加。このあとのタコ茶漬けにも、『獺祭』は不思議とバッチリ合っていました。

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焼き上げるタイミングが大切なんですね
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活きたタコをさっと炙ります
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たこ焼きバリエーション 食べ比べたいっ
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一番人気の“むかし焼き”
楽しく美味しい お勉強

「たこ茶屋」のメニューに、タコは貝の仲間とあります。大昔、海面に生息していたイカの中から海底に棲み家を変えたものがタコに進化したという説を聞いたことがあります。そのイカは、オウムガイが進化したものらしいので・・・・・・タコは貝の仲間!ですから、活きたまま調理するのが最適なんですね。また、タコには旬というものはないんだそうです。生涯にたった一度の恋をし、産卵すると死んでいきます。子作りができなかったタコは、巨大化して物悲しいことにお化けダコになってしまうのですが、これがけっこう歯ごたえがあって美味しいそうです。ふーむ、タコって、なんだか深いんですねー。
こちらが尋ねれば、こういったタコについての興味深いお話を、お料理の合間にさりげなく教えてくださいます。素晴らしいお酒とお料理に酔いしれ、その上、楽しく勉強できるなんて、得した気分!
そう遠くならないうちに、できれば冬にまた「たこ茶屋」で、タコとふぐづくしを満喫したいと思いつつ、夜の大阪に繰り出し、賑やかなネオンを浴びて帰路に着いたのでした。

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今年で二十五周年 
タコを愛する大将・箱部氏
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店内に飾られたキュートなタコ

今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

始めてご主人の箱部さんにお会いしたのは、あれは鳥取県智頭で開かれた「米・酒サミット」の会場でした。手作りのイベントで薄暗い懇親会場の片隅でたこ焼きを焼いてる箱部さんに出会ったのが最初の出会いでした。

「たこ焼きと純米酒って、意表をつくなぁ。面白いおっちゃんやなぁ」と言うのが第一印象。次に出会ったのはブラウン管の中でした。当時流行ってたテレビ番組「料理の鉄人」の挑戦者として出場してました。面白いおっちゃん(本当は私より幾つか若いんですが。箱部さんごめん)から突如美味しい店のご主人に昇格しました。(結局、テレビとか権威に弱いんですよ。私は。うーん。反省。でも美味しい店ですよ)

(蔵元 桜井博志 記)

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