大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第五十一回 蕎麦の実(神奈川県・川崎)

更新日:2013.04.23|居酒屋めぐり|

http://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14048041/(食べログより)

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 やって来ました、川崎に! 去年の暮あたりから耳にしていたのです。『獺祭』の品揃えがすごい「蕎麦の実」というお蕎麦屋さんが駅の近くにあると。しかもこの「蕎麦の実」、尋常ではありません。な・な・なんと、驚くなかれ、朝、昼、晩、夜中、とにかく一日中、『獺祭』が飲めるお店なのです。ぜひとも行かなくては! ということで、今回は川崎駅東口、飲食店が密集する小川町エリアの繁盛店、「蕎麦の実」におじゃましました。

どこにもないお店としての24時間営業の蕎麦居酒屋

 神奈川県内で横浜駅の次に利用者が多いのが川崎駅だと、まさに実感しました。ひきもきらない人の流れは、駅周辺では終電が過ぎた深夜から明け方にかけても続くんだそうです。このたくさんの人たちが安心して飲んで食べられることに加え、さらにどこにもない特色を持たせようと川崎でお好み焼き屋、バーなどを経営しているリープが2012年9月にオープンさせたのが、「蕎麦の実」です。24時間営業のお蕎麦屋さんも24時間営業の居酒屋さんも、長い人生の大半をかけてたくさんの飲食店に通ってきましたが、見たことも聞いたこともありませんでした。それが、両者融合! しかも、『獺祭』だけで飲み比べセットをオーダーできるのですから驚きです。4人掛けのテーブルが2つとカウンター6席のこじんまりしたお店ですから、夜7時以降の予約は受け付けされていないとお聞きしていたので、6時に予約をお願いしました。『獺祭』がズラリと保存されている冷蔵庫前の特等席ともいえるカウンター席につき、さっそく、『獺祭 三割九分 遠心分離』『獺祭 磨き 三割九分』『獺祭 寒造早槽』のセットをお願いしました。おススメの蕎麦味噌、ミョウガの土佐酢漬け、水ダコの刺身、そして燻製たまごのポテトサラダをドーンといくことに。この燻製たまごは、味付けたまごを作ってから3日間かけて燻製にするのだそうです。期待大!

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居酒屋さんに行くと、わたしは必ずといっていいほどポテトサラダを頼みます。すぐれた居酒屋さんのポテトサラダは、ちゃーんと日本酒に合う何らかのアレンジを個々にされていて面白いのです。普段、わたしが家庭で料理をするときの参考にもなります。実際に生かされているかどうかは家族のみが知る訳ですが……。それはさておき、手間ひまかけた「蕎麦の実」特製ポテトサラダは、じゃがいもがしっとりきめ細かく、たまごの燻製の香りが上品で、わたしは『獺祭 磨き 三割九分』に合うと感じました。いい組合せで心がほんのりしてきます。蕎麦味噌は量がたっぷり。あとからキュウリを切っていただき獺祭とちびちびやるのも良さそう。うーん、酒飲みの醍醐味ですね!

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スパークリングから〆の蕎麦、さらにご飯まで

写真「蕎麦の実」での『獺祭』の品揃えは、スパークリングにも手を抜きません。よく見かける精米歩合50%の『獺祭 スパークリング発泡にごり酒』に加え、三割九分のスパークリングも置かれているではありませんか! 三割九分のスパークリングを常備しているお店はとっても少ないことを知っているわたしが、これを逃す手はありませんよね。たっぷり鴨がのった新鮮野菜のサラダ、青じそと梅をはさんだカマンベールチーズ、大山地鶏のとり天おろしポン酢和えなどとともにいただきました。難しいことはもう必要ありません。美味、爽快、完璧と、思わず笑顔になってしまいました。

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こんなに食べたというのに、お蕎麦屋さんに来たらお蕎麦は別腹です。「蕎麦の実」では石臼でひいた信州産蕎麦粉を使用。風味良くさらりとしていていくらでも食べられそうな自分がおそろしい……。何とかして止めなくては、いや、もうここまで来たら行くところまで行けと、もう一段、ガッツリと〆のトロカツ丼をいただきましょう。名前のごとくトロりとしたたまごがカツを優しく包んでいます。ちなみに、丼物は半分のサイズでもオーダーできるので、小腹がすいたときなどに最適です。

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世界に出たからこそ国酒である日本酒に目覚め『獺祭』へ

 リープの統括部長にして現在、「蕎麦の実」の店長でもある深川さんのキャリアは、まずバーテンダーとして始まりました。その後、ワインに目覚め、アメリカに渡り、LAのワインの大会に出場したのですが、そこで彼に転機が訪れます。有名なソムリエに、”日本には日本酒という素晴らしいお酒があるのに、なぜワインなのか?”と尋ねられ、考え込んでしまいました。自国の酒を極めずして他国の酒を極めようとしている自分に疑問を抱いた深川さんは、そこで一念発起。2年間でおよそ100か所の酒蔵訪れ、日本酒を学んでいったのです。方向性を変えるのというのは、”言うは易く行うは難し”です。でも、今、深川さんはとてもいきいきとお仕事されていて、その姿から、当時の決意が間違っていなかったことが伝わってきました。そして今、念願の日本酒を存分にお客様に紹介できる場を得た深川さんの心に届き、お店の定番として選ばれているのが『獺祭』なんですね。これはとても素敵なことです。すべての物事に物語があり、『獺祭』がそこに関わっている……そんなことを思いながらいただくお酒は、いつにもまして心にしみてくるのでした。

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お店の外に出たのはすでに9時を過ぎていましたが、川崎の夜はこれからだとばかりに人通りは途切れることがありません。これからが仕事という人もいることでしょう。24時間営業の「蕎麦の実」は、ナイトワーカーの人々にとっての憩いの場所でもあるのだなと実感しつつ、わたしも人の波に紛れ込むことにしました。

今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

24時間営業は良いですねぇ。飲みたいときに何時でも飲める。確かに朝から開いている店もあるにはあるんですが、大抵、チープな酒で朝から酔っ払いたい人用で獺祭なんて置いてある店はありません。ここは朝から、しかも蕎麦屋ですから、いかにも蕎麦を食べに入るような顔をして、「獺祭」が飲める。

と、ここまで空想して、現実に直面。最近の時間のなさと本人の老齢化は昼酒はともかく朝酒は許せなくなっているんですよね。とほほ。若さと時間がほしい。

に、しても、大平由美さんよく食べるなぁ。蕎麦の後、トロカツ丼・・・!!  脱帽!!!

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