大平由美の居酒屋めぐり

居酒屋めぐり

第五十四回 15 EAST(アメリカ・ニューヨーク)

更新日:2013.12.31|居酒屋めぐり|

15 EAST  (アメリカ・ニューヨーク)
http://15eastrestaurant.com/ (公式ホームページ)

 この頃、アベノミクス効果か、はたまたTTP問題に絡んで注目されているからか、”日本酒が海外で人気!”と、盛んに新聞やテレビのニュースなどで取り上げられています。ご存知のことと思いますが、なかでも『獺祭』には、特に暑い、おっと間違えました、熱い視線が寄せられているようです。海外での日本酒人気は、日本食の普及とともに、今に始まったことでもないというのも、やはり皆さまご承知の通りです。ではありますが、今回、ニューヨークを訪れてある変化を感じました。アメリカでの食への意識が、どんどん洗練されてきている!!! のです。侮るなかれ、ニューヨークの鮨を!!! というわけで、今回の居酒屋めぐりでは、秋の訪れが東京よりも早く、10月半ばにしてもうダウンジャケットが必要なビッグ・アップルで、とびきりに美味しいお鮨、お料理を、選び抜いたお酒とともに提供することで定評のある「15EAST」におじゃましました。サブウェイのユニオン・スクエァ駅からすぐ近く。ミシュラン星つきの予約必須のお店です。

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『獺祭』各種、取り揃えてます!

 オシャレなコーディネートの店内は、鮨カウンターとテーブル席に分かれています。人数によって使い分けられていますが、ニューヨークでもやっぱり鮨カウンターから埋まっていくようです。鮨を握る板前さんで日本人は大将のマサさんのみですが、みなさん、真剣に日本食と向き合っていらっしゃる職人さんたちです。カウンター席につき、おススメの6コースからなる旬のお任せコースをお願いすることにしました。『獺祭』は、二割三分、三割九分、スパークリング、海外仕様のシュワシュワしないにごり、さらにさらに、その先へ(海外では、Dassai Beyondです)もすでにメニューにあることに驚き!!!!! “Beyondを”といきたい気持ちをグッと抑え、二割三分をオーダーしました。そっとメニューのお値段を見たら、Beyondはボトルで1,000ドルだったものですから。はあ。いやいや、二割三分もすごいお酒なのですが。笑

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コースに入る前の小皿は、柔らかくて優しい食感のミル貝の柚子みそ和え。
いわゆる付き出しですね。続く八寸は、タコのやわらか煮、あん肝、かつおだし風味のいくら、バイ貝です。ここは日本ではありません。確かにニューヨーク。『獺祭 二割三分』と合わせていただきます。濃密なモモのような香り、すーっと口の中に入って広がる繊細な甘さと、あん肝が非常に良く合い、時差ボケなど一瞬で吹っ飛ぶ幸せ感に浸ってしまう・・・・・・見回せば、周囲のお客様(この時点で日本人はわたしだけ!)も、楽しそうに嬉しそうにお食事中。日本人で良かったなんて思っているのはわたしだけなんだろうなぁ。

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工夫の料理、王道の刺身と鮨

 さて、次はフォアグラの茶わん蒸し。濃厚なスープのような味ですが、卵の香りは生きていて、中には生麩、きのこ、銀杏などが入っています。ニューヨークは寒いので、このまったりした暖かさはお客をホッとさせます。フォアグラが和食に寄り添い、口の中で溶けていく様も心地よく、お酒がすすみます。
さあ、そしてお待ちかねのお造りです。この時期の15EASTには4種類のマグロがあるとのことでしたが、刺身は大トロ。あとはスミイカ、えんがわ、ぼたん海老、しめ鯖、シマアジで、ぼたん海老の頭は後でカラリと揚げていただきました。自分がどこにいるのかなど、もはやどうでもよくなってしまうような刺身体験。二割三分とも絶妙のマリアージュでした。

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焼き物に続いて、いよいよお鮨です。シャリを小さめにしてほしいというわたしの希望をすんなり聞き入れてもらえたので、お腹がすいているときには、逆に大きめにもしていただけるのかも?! そんなことはともかく、お鮨はどれもこれもたいへん美味しかったのですが、特に印象に残ったのは、炙り金目、イカ(仕事してます!)、秋刀魚、そして穴子でした。実は、わたしより先にお店に来ていたロシアからの旅行者の母娘連れが隣にいたのですが、彼女たちは、最後のお鮨をウナギにするか穴子にするか迷っていました。結局、板前さんのおススメに従うということになり、板前さんは迷わず穴子と答えました。それが実にふっくらと美味しそうで、甘い香りも漂ってきてうらやましかったのです。食べられて良かった。大満足です。

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美味しさに国境なし!

 15EASTのサーバーの方々に、日本人はほとんどいません。予約の電話も緊張するかもしれません。でも、予約はインターネットで、あるいはホテルのコンシェルジェにお願いしましょう。お店に入ってからは、正直言って心配はいりません。メニューの英語は分かりやすく、指でさせば通じます。それに、彼らは素材、原産地などを日本語で説明します。たとえば、「アオヤギ」「ミル貝」「シメサバ」「タマゴヤキ」「ホッカイドウ」「オオマ」などなど。時々、棚から写真がふんだんに使われている本を取り出し、鮨ネタの魚を示してもくれます。そして何よりも、美味しいものに国境はないのです。アメリカにいて日本の四季を感じるきっちりした仕事がなされたお料理とお鮨、さりげないけれど充分なサービス、プラスアルファとしてニューヨークの工夫を施して個性を出しているところも素敵です。ロシア母娘のあと、隣席には台湾生まれでニューヨーク育ちという男性がガールフレンドを連れてやってきました。日本酒を楽しんでいたので、『獺祭 二割三分』をおすそ分けしたところ、写メに撮るほど気に入ってくれ、かえって感動。美味しいものによって、人と人は国籍など軽々と越えることができるのです。

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今夜も素晴らしいお酒とお料理に出会える幸せに感謝して、乾杯!

蔵元の蛇足

いかがだったでしょう。
でも、10年前のニューヨーク(遠い目・・・笑ってやってください)、勿論、獺祭はなくて、それでもイーストビレッジの居酒屋「デシベル」でアメリカ人が日本酒を美味しそうに飲んでいるのに感激し、アジアンフュージョンのブッダ・バーで日本酒の利き酒セットがあったと驚き、「きっと、ニューヨークで獺祭が楽しんでもらえるようになる」と思いながら帰国したニューヨーク出張でした。

歳月ってすごいですね。

 

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