徳間書店発売の「食楽」二月号の特集で獺祭が第一位に選ばれました。「プロが選んだ大吟醸・純米大吟醸BEST30」という特集付録のページです。それを読んだお客様から「獺祭がのっていた」と聞いていたんですがなかなか山奥の酒蔵には手にする機会がなくて、本日やっと本屋で手にしました。

やっと手にして目にしたのは・・・・・・「獺祭 磨き 二割三分」が第一位の席に・・・!!!

文中の評に曰く、「贅沢に米を磨いた“いい酒”ではなく、完成度の高いバランスから生まれた、文句なく“旨い酒”と評す声も多い(感激ですねぇ)。」そうです。  

私どもが希っている、まさにそのとおりの評価でした。

私どもの「獺祭 磨き 二割三分」は決して実験的に米を磨いているのでも、自社の技術的なレベルを誇示するために造っているのでもない、お客様に飲んでいただくためのお酒です。それも、旭酒造の最高峰の酒として最も高い価格をつけさせていただいているお酒です。旭酒造の酒造りの全てが詰まっているお酒です。その意味では最も旭酒造らしいお酒です。よしんば、どういうわけか不幸にしてお客様の評価が低くいことがあっても、「あれは実験的に造っている」とも「蔵元としては実はこちらのほうが好きな酒」と他のもっと自社の価格の低い酒を指差して逃げるようなことも言いません。甘んじて受けるだけです。

ところが、旭酒造の社内に「二割三分」のライバルがいくつかいるんですねぇ。

と、言うことは、どういう事かと言いますと・・・・・。社内的に言えば次のランクの「獺祭」の「磨き三割九分」は39%精白の山田錦を使った純米大吟醸として香りも華やかで評価の高い酒です。また「50」という弊社で最も安価なプライスをつけさせていただいている純米吟醸は50%精白の山田錦を使ってきれいな甘みも香りも表現できているお酒で、コスト・パフォーマンスも高いとよく言われます。(良くこれだけ自社の酒のほめ言葉をぬけぬけと言いますねぇ。すいません。)

「獺祭は磨き三割九分のほうが好きだ」とか「50が一番好き」というお客様も多いんです。これ自体ありがたいことで、お客様はこれでいいんですが、酒蔵としてはそうも言ってられません。最も高価な御代をいただいているお酒が社内のほかの酒に負けることがあっては困ります。つまり「獺祭 磨き 二割三分」は他社のお酒が競争相手としてあるだけでなく自社のお酒もライバルだというわけです。それも品質だけでなくコスト・パフォーマンスということまで含めて。

獺祭磨き二割三分は品質も最高でなければいけませんし、どんなに高い御代をいただいていようとコスト・パフォーマンスも社内で最高でなければならないのです。そんなつもりで造っているお酒ですから、今回の一位は何より嬉しいものでした。

しかし・・・・・、「豚もおだてりゃ、木に登る」にならないようにしなくちゃ。