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獺祭アーティザンDassai Artisans

獺祭をつくる匠たち

旭酒造では、ひとりの杜氏の勘や経験に頼るのではなく、社員全員で酒づくりを行っています。
高品質の酒を、安定的にお届けするためです。したがって、社員ひとりひとりが酒づくりの匠なのです。



1999年12月26日生まれ / 製品課 三井崇史




入社4年目の三井崇史は、旭酒造本社のすぐ隣にある小学校を卒業した。
「会長(桜井博志)と社長(桜井一宏)の小学校の後輩にあたるので、社員の間では『最強の学閥』だと言われています(笑)」
高校時代の恩師からの推薦を受けて旭酒造で働くことになった三井は、発酵管理などを経験してきた。彼がいま担当しているのは、酒を瓶に詰める充填機の組み立てと、この工程の検品だ。
「朝、早出して充填機を組み立てます。ここをしっかりやらないと、ラインでエラーが出て仕事にならなくなるので、気を使いますね。発酵管理で酒母を担当していたこともあるので、どれだけ丁寧に酒がつくられるのかはよくわかっています。だからこの工程の重要性も理解しているつもりです」
少しずつ酒づくりの経験を積んでいる三井は、まだ20代前半。学ぶべきことがたくさんあるのと同時に、可能性も無限に広がっている。

1994年9月14日生まれ / 上槽課村上篤祐



村上篤祐が行っているのは、醪を搾る工程で使う薮田式自動醪搾機(通称ヤブタ)をきれいに清掃する作業。酒から分離された粕を取り除くこの作業は、「粕剥ぎ」と呼ばれる。この作業がいかに大事であるかを、村上はこう述べる。
「粕を丁寧に剥ぐことが、獺祭のきれいな味わいにつながります。この搾りから先の工程は、酒の味をよくするというより、味のよさを維持してお客さまに届けるためのものです。だから搾りの担当には重大な責任があります」

大学の研究室でワインづくりを学び、この分野に興味を持った村上は、インターンシップを利用して旭酒造で働いた経験を持つ。
「インターンの後に正式に就職しようと思った理由は、ここのお酒が特別においしかったからです(笑)。
学生時代から酒づくりは大変だと思っていましたが、旭酒造で働くようになって感じることは、常にお客さまのことまで考える酒づくりは大変だけどやりがいもあるということです」
入社2年目の村上は、「これからもっとたくさんの部署を経験して、酒づくりをトータルで理解したいです」と、遠くを見た。

1995年5月24日生まれ / 発酵管理課[酒母]植月聡也




植月聡也は、いま行っている工程について、「酒母といって、お酒の元となるものをつくる作業です」と説明した。
「どの工程も重要ですが、酒母づくりは、これからお酒が出来上がっていくうえでの最初の段階なので、味を左右する重要なポイントになります」
植月が旭酒造に入社しようと思った理由がおもしろい。
「大学での専攻はまったく違う分野で、酒づくりとは縁もゆかりもありませんでした。でも自分がどんな仕事をしたいかと考えた時に、世界一のものをつくる仕事をしたいと思ったんです。旭酒造は日本一の日本酒をつくっているわけですから、世界一にも通じる。そう思って入社を決めました」
2週間にわたって酒母の面倒を見るうえで大事なのは、温度などのデータと、酵母の状態や米の溶け具合を感じ取る感性のふたつだという。
「撹拌の作業は重労働で体力的には厳しいですが、酒づくりをゼロから学ぶのは楽しいですね」
畑違いの分野から酒づくりに転じた植月は日々、乾いたスポンジのように酒づくりのノウハウを吸収している。

1994年9月14日生まれ / 製品課米原拓哉



「ここで行っているのは、お酒を詰めた瓶にラベルを貼る工程です」
こう語るのは入社6年目の米原拓哉。これまで、発酵管理などの経験を積んできた彼はいま、製品ラインに流れる酒瓶に目を光らせる。つまり、いい味をつくる工程の後で、いい商品をお客さまに届ける工程を担当しているのだ。
「やはり、お客さまが実際にご覧になって、手にとっていただくわけなので、商品としてきちんと仕上げることも大事だと感じる日々です。印字の場所を少し工夫して、従来より広い場所に移したところ、見映えがよくなりました」
山口県出身の米原は、九州の大学で発酵食品について学んだという。
「地元に帰って就職したい、できれば大学で学んだことを活かせる職に就きたい。そう思って選んだのが旭酒造です」
この仕事を選んでよかったのはどんなときか、という質問にはこう答えた。「搾ったお酒のテイスティングをして、思った通りの味に仕上がっている時には、本当にうれしい気持ちになります」
「大学で学んだことも役に立っていますが、やはり現場で学ぶことのほうがはるかに多いです」と、米原は充実した表情で語った。

1996年4月16日生まれ / 製麹業務濵渦大夢




自身が担当する製麹工程の重要性について、濵渦大夢は熱心に語り始めた。
「麹には酵素が含まれていますが、麹をいいバランスでつくらないと、米が溶け過ぎたり溶けなかったり、あるいはお酒に雑味が出たり尖った味になったりします。獺祭が目指す味にするためには、目標の数値にできるだけ近づけなければなりません。そんな思いで、麹づくりに取り組んでいます」
大学で微生物の研究をしていた濵渦は、同じゼミの先輩が旭酒造に入社したことから酒づくりに興味を抱くようになった。
「初めて獺祭を飲んだ時のことははっきりと覚えています。香りがよくて、重たくなくて、飲みやすいのに味わいが深くて、これがおいしいお酒なんだなと思いました」。
高知県出身の濵渦は、「地元は酒豪が多くてよく日本酒を飲みますが、獺祭の味には自信があります」と、胸を張る。入社3年目、洗米や仕込み、そしてこの麹づくりなどさまざまな工程を経験して感じるのは、「自分がひとつでもミスをすると酒の味に直結するというプレッシャー」だという。
同時に、そこにやりがいも見出していると、力強く語る。

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