ぶっ飛びました!! 7月中旬の土曜日、久石譲さんのコンサートに行きました。場所はワシントンDCのフィリーズ国立公園の中にあるコンサートホール。会場近くでウーバーから下りたとたんに、会場に向いて歩く人の長い列にびっくりしました。このコンサートが尋常ではないことにさすがの私も気づきました。車を下りたあたりからゴルフカートでのお客さんの送迎サービスもあったのですが、雰囲気を味わいたくて300メートルぐらいの距離をゲートまで歩きました。

ゲートを通過して少し進むとすり鉢状の地形になっていてその底のほうにホールが建っています。屋根はありませんが、その傾斜面からもコンサートが鑑賞できるようになっていてナンバーが付いたプラスティックのシートが並んでいます。すでにそちらのほうも三分の一程度は埋まっていました。

ホールに入ってみると、さすがアメリカと言いたくなる巨大なホールで二階席も合わせると5~6千人入りそうです。後でちょっと外に出てみたら野外席も満席で、おそらく参加人数は軽く一万は越していそう。日本の地方イベントなんかだったら新聞発表は三万人以上とか言いそうな規模です。日本人の数は予想に反して5%以下。ほとんどアメリカの若者でした。

コンサートはジブリの曲だけで、演奏と巨大スクリーンに映し出されるジブリのアニメの映像が合体したもの凄い迫力のあるものでした。アメリカというか世界中で久石譲さんの音楽が愛されていることを実感しました。隣に座っていた白人のおそらく17~8才の女の子は途中から感激のあまり泣き出してしまったぐらい。

最後はその一万人以上の観客が総立ちで拍手を送っていました。心なしか久石さんも日本国内よりうれしそうです。(と、いうか、当たり前ですね。あの大観衆に拍手喝さいを浴びるのですから) 

実は私はつい最近まで久石さんが実は映画音楽の作曲からスタートしてクラシックに活躍の場を移した作曲家とは知りませんでした。遅咲きのクラシックファン?である私にとって久石さんとは「NHKなどのクラシック特集のCDに評論や解説を書いているクラシック業界の第一人者としか思っていませんでした。ところがうちの酒蔵の連中に久石さんのファンが結構いて、やっとジブリの作曲と演奏が久石さんであることと結びついたのです。しかも久石さんは2021年から日本センチュリーの客員指揮者で、お世話になっているのです。

その久石さんがワシントンDCでコンサートをすると聞いて、これは何としても行かなければいけないと思い、夏休みで無茶苦茶混んでるニューヨークJFK空港からデルタ・エアで飛んできたのです。(無人チェックイン機の前で右往左往!! かっこ悪っ!!) でも、本当に来てよかった。これまで私にとって久石さんはクラシック業界の第一人者であり、久石さんに振ってもらうとコンサートが満席になるありがたい指揮者という超低レベルの自分勝手な理解でした。すいません(汗) しかし、世界における久石さんとジブリのアニメの評価はこれほどすごいんですね。

コンサートの終了後感じたのは、これほどの久石さんに対する世界の評価を日本の音楽業界は分かっているんだろうかというものです。なんとなく、イエスキリストが自分の故郷の谷を通過するとき奇跡が起こらなかったという話と同一のものを感じました。私たちはこんなすごい人が同じ日本にいることを誇りに思い、そしてもっと活躍してもらい、日本のために頑張ってもらう必要が有るのではないでしょうか。

感動と、日本の内向き社会に問題を感じた二時間半でした。

 

ところで、コンサート終了と時を同じくしてものすごい雨になりました。雨具の用意もゼロでウーバーで会場まで来た私たちは途方に暮れるばかり。結局、帰りの車なんて準備していそうにないお気楽夫婦の私たちのために、なんと久石さんが主催者に掛け合ってくれて車を出してもらえる事になりました。出口が混雑しているからと会場から一時間遅れで出発したのですが、その時点でも雨の中ウーバーやタクシー待ちの人々が多数群れを成して残っていました。

とにかくこんな体験、センチュリーの理事長をしているからこそできたと思います。これからは「火の中の栗を拾って」なんてかっこをつけた罰当たりなことは言いません。飯森さん、音楽音痴の私をここまで導いてくださってありがとうございました。(飯森さんは日本センチュリーの首席指揮者です)

 

☆一号仕込みのモロミ

ニューヨーク蔵の第一号の仕込みが先週の金曜日に留めてから6日が経過しました。ちょっと溶けすぎの経過は気になりますが、タンクのそばに立ってモロミの香りをかぐと何とも良い香り。「ああ、そうだ、これが獺祭の香りだ」久しぶりにかぐ獺祭の香り、日本からの派遣組もみんな安堵の顔です。